「公認会計士を目指すのはやめとけ?」自動化される業務の今後10年

Hagiyamaです。

ネット上のとある資格比較サイトを眺めていたら、「会計士を目指すのはやめとけ」という記事を見ました。

そこで、ここでは度々述べている会計士の将来性について述べたいと思います。

英国オックスフォード大学で人工知能の研究を行っているマイケル・A・オズボーン教授の論文

「雇用の未来 -コンピューター化によって仕事は失われるのか- 」によると、

公認会計士業務のうちの一つである「簿記・会計・監査の事務員」は、将来10~20年以内に業務自動化によってなくなる職業の一つに入っています。

会計士の私が言うのもとても変ですが、これを否定できるような根拠は少なく、ある意味で真実なのかもしれません。


少し昔話をしますと、

私が高校生の頃(1997年頃)、私はクラスメイトに将来就きたい仕事についてこのようなことを冗談交じりに言ったことをよく覚えています。

「機械に取って代わられないような仕事がしたい」

振り替えるとこんなことを高校生の頃の自分が考えていたというのは自分でも驚きなのですが、それは当時から社会では機械の脅威について様々な議論があったのだと思います(でないと、仕事したことのない高校生がこんなこと思うはずもなく)。


あれから20年ほどの時は流れ、高校生の頃に冗談交じりに言っていたことが本当のことのようになりつつある世の中になっています。

  • 駅の改札では切符を切っていた駅員が自動改札機によっていなくなり
  • 国際線の空港ではイミグレ職員が手続していたのが自動ゲート化によっていなくなり
  • 大手アパレルではクレジットカードによる機械の自動決済によりレジ店員がいなくなり

もちろん会計士の仕事についても例外でなく、監査の現場では監査人が呑気にエクセルを作成していたりしますが、これが自動化されるときはそう遠くないと思っています。

少し専門的な話をすると、会計監査の契約する際においては、クライアントのリスクを判定する必要があります。

リスクといえば、企業が法に反することをしていないかどうかや、経営者の誠実性、さらには過去の粉飾または不適正決算など、

ひとことで言えば、「監査報告書において適正意見を出せる企業かどうか」という判断をする必要があります。

このリスク判定にあたって、現在のところ人間がすべて判定しているのですが、これがほとんど自動的に行われる日も近いのではないかと思っています。

たとえば、あらゆる企業に関する過去のデータがシステム上で全て参照でき、契約に際して各種の判定チェックリストを作成してシステムに入力しボタンを押したら、”適正意見の提出可能性=80%” みたいな。


ここでは会計士の人手業務として、企業リスクを判定するデータ資料を作成するという業務のみが残ります。監査契約を交渉する際に社長や経営陣と話をして、「企業リスク判定チェックリスト」のようなものを作成するといったような。

以上のことは極論であり得ないことだと思われるかもしれませんが、こういった将来の状況を考えていると頭の体操になります。

何が自動されて何が自動化されないかについて、どんな仕事でも同じことが言え、これを考えることは自分の身の振り方を考えるうえでもとても大切なことだと思います。

私は会計監査の仕事自体は無くならないと思いますが、現在手作業で実施している会計士の仕事の半数くらいは、自動化によって無くなってしまう予感がしています。

今自分がしている仕事は、将来機械にとって代わられないようなことだろうか?

このことは常に頭に入れて、日々の業務に励んでいきたいと思います。