Hagiyamaです。
ついこの間、シンガポール人の会計専門家の方々と一緒に日本で仕事をする機会がありました。
米国SOXに基づく評価で、日本の子会社がその対象になっているとのこと。
シンガポール人のチームは、男性2名・女性2名の編成です。
シンガポール人と一緒に仕事をしていて、当たり前ですが日本人とのいくつかの違いに改めて気が付きました。
・仕事内容が非常に細かい
日本人なら「まあいいか」っと考えることであっても、シンガポール人は疑問点をとことん突き詰めるような仕事をする感じがします。
これはおそらく、性善説と性悪説の考え方の違いから来ているのだと感じます。
日本でよくある「まあ多分合ってるだろう、日本人だし」という考えは、どうやら彼らは持っていないようです。
またシンガポールでは日本と違って小規模な会社でも会計監査が制度上必要とされているため、我々日本人にとって細かいと思うようなことも、突き詰めて考えるのでしょう。
日本人の会計士にも細かいことを突き詰めることが好きなタイプが一定数いますが、シンガポール人はこれがデフォルトのようなイメージです。
(これはどちらがよくてどちらが悪いという話ではなく、どちらにも一長一短があります)
・英語と中国語を自在に操る
「シンガポール人の英語の訛りはひどい。シングリッシュだ。」と揶揄されることがありますが、若い人についてはそんなことはありません。
たしかに私がシンガポールに留学した時、初老の講師の話す英語がほとんど聞き取れず、「この方は中国語かマレー語を話しているのだろうか・・?」と思うくらい、英語の訛りが強い人もいました。
ですが今回来日したシンガポール人は全員20代~30代で、訛りらしい訛りもありません。
若いシンガポール人は小学校から授業はすべて英語、第二外国語として幼いころから中国語を選択する人も多く(中国語以外にも、祖先の母国語のマレー語やタミル語もありますが、中国語以外を選択する人はまずいないとのこと)
シンガポール人同士では、英語を話している途中でも中国語を混ぜて話したりするので、これは頭の回転の速さというよりも幼いころからの教育の賜物だと思います。
日本の教育もそうなると大人になってから苦労しなくていいのですが。
・FAXがわからない
与太話に近いですが、販売プロセスに出てくる「FAXで注文書を受け取る」という業務内容にとても困惑しているようでした。
日本の商慣習で、注文書をFAXで受け取って判子を押した注文請書としたものをFAXで送り返すという風習は、そこそこの大企業でも普通にあったりします。
質問を受けた私は、このFAXを使っての受注の仕組みを説明したのですが、あまり理解できなかったご様子。
シンガポールではそもそも日常生活でも仕事でもFAXを使う習慣が全くなく、若い人はFAXがどういうものわからないのかもしれません。
今10代の人に、ポケベルの仕組みを説明しているようなものなのかも。。
そう説明していたところ、リーダーの方からこう尋ねられました。
「日本は先進国なのに未だFAXなんか使ってるのか?注文はメールとかじゃダメなのか?」
私は答えに窮しました。
なんでFAXを使ってるのか、私にはわかりません。
シンガポールという国自体は国土の小さな国ですが、政治は極めてクリーンで、欧米など先進国から良いものだけを取り入れ、あらゆる面において最先端の技術を使っています。
一方、先進国と言われる日本でも、FAXのような古い文化も未だに根強く残っています。
シンガポール人と仕事をして、日本の少し変な(一見するだけと非効率的な)点に気がつくとともに、FAX自体も封をして送る手紙のようなものが残っている気がして、100%最新鋭ではない日本の良さにも気づいたのでした。
(ただし日本はいま消費税増税での軽減税率や景気対策でクレジットカードポイントだの商品券だのでかなり混乱を極めていますが、それは日本のダメなところかもしれません。すべて一律10%じゃダメなのでしょうか・・)