法人と個人事業主のどちらが有利か?(個人事業主の法人成り)

Hagiyamaです。

色々と議論のあったインボイス制度が導入されましたが、税理士としては手間ばかりが増えている印象です。

世間的に見れば実質的な消費増税ともいえますが、税金が適切に使われることを願います。

 

さて、今回は個人事業主の法人成りについて述べます。

法人成りとは、個人事業主が法人(多くの場合は株式会社か合同会社)を設立し、個人の事業を設立法人に引き継がせることをいいます。

法人と個人のどちらが有利か?法人成りのメリットとデメリット

  • メリット
    ・取引先等からの信用力がある
    ・多くの場合は税額が減少する(租税特別措置法により法人税率は所得800万円までは法人税率15%。一方で所得税の最大税率は45%)

 

  • デメリット
    ・法人の設立に費用と手間がかかる(株式会社の場合、定款の作成とその認証料、設立登録免許税などで最低でも約20万円)
    ・法人税の確定申告が必要となる(税理士に依頼する場合はその報酬も発生)
    ・社長の1人会社であっても社会保険への加入が強制される
    ・赤字であっても税金(住民税の均等割)が必ず発生する(東京都は7万円)

個人事業主は、この逆となります。

個人事業主について税金面でいえば、青色申告を選択すれば65万円の所得控除が取れます。

申告に関しては法人に比べて作業量が少なく、税理士に依頼する必要がない場合も多いです。

 

個人事業主は、税務署に開業届を出せば個人事業主を名乗れるという手軽さの反面、信用力は法人よりも低くなります。

さらに個人事業主の中でも、インボイス制度が導入された今では、課税事業者か免税事業者かと観点も個人事業主の信用力の判断に加わります。

仕事を発注する側(支払う側)としては、支払った消費税につき仕入税額控除ができるので、課税事業者のほうが信用力が高くなります。

巷では、

「売上2000万円、または利益500万円を超えたら法人成りするほうが税額が有利となる」・・と言われているようです。
ですが税額は様々な要素により変動するので、この金額はあくまでも目安としたほうがいいでしょう。