Hagiyamaです。
少し昔話になりますが、私が公認会計士2次試験に合格したのは2002年。
その頃からはや17年ほど経とうとしていますが、この会計士業界は浮き沈みの波が激しいと感じます。
ここでは2002年から2019年における会計士業界の流れについて、感じたことをお伝えしたいと思います。
2002年、会計士業界は売り手市場でした。
需要と供給のうち供給が足りなかった状態です。
監査法人では、会計士試験の合格発表前にリクルート活動をするという風習がありました。合格発表前に内定を出し、合格したらそのまま入所するという流れです。
当時の大手監査法人の採用募集要項には「服装はカジュアルでもOK」という記載がありましたので、世間知らずだった私はそのまま私服のだらしない恰好で面接を受けに行きました(ちなみに周りを見渡すとほとんどの人がリクルートスーツを着ていました)
周りがスーツばかりでちょっと焦りましたが、面接を受けて何の問題もなく内定をいただき、試験の合格発表後に大手監査法人に入所することになりました。あまりのあっけなさに拍子抜けでした。
ですが、その翌年の2003年から2005年にかけ、会計士業界の市況は急速に悪化します。
業務量はたいして変わらないのに会計士試験の合格者増により供給が増え出してきたので、大手監査法人をはじめ会計士の採用人数を絞り始めました。
大手監査法人1年目だった私は2003年度入所のリクルーターを担当したのですが、「採用する場合は別室に、断る場合はエレベーターに案内する」という指示がつらかった記憶があります。
このまま悪化すると思われた会計士業界の市況でしたが、2006年に一変する制度改正が起きました。内部統制報告制度(J-SOX)です。
内部統制の評価は、もともと監査上のリスクアプローチの概念で監査経験のある会計士ならたいてい誰でも経験があるものですが、J-SOXはこれを企業側に負担したがために、ノウハウを持たない企業側が混乱し、会計士にJ-SOXに関して業務委託をするようになりました。
そこで、内部統制に精通する会計士の需要が一気に増え、会計士の人材が一気に不足することになりました。これが未だに会計士業界ではよく言われている「J-SOXバブル」というやつです。
2006年のJ-SOX制度制定によって、監査法人は今までの冷遇を手に平を返したように会計士の採用を増加させ、またJ-SOX業務を個人で受注するために監査法人を辞めて独立する会計士も多く現れました。
「乗るしかない、このビックウェーブに」状態です。
(少し長くなったので、2006年以降は次記事に続きます)