Hagiyamaです。前回記事の続きです。
J-SOXバブルによってプロ野球選手並みに稼ぐようになったと言われていた会計士でしたが、当然このバブルは長く続きませんでした。
J-SOXのノウハウを手に入れた企業からは自社内でJ-SOX業務を行うようになり、J-SOXに関する会計士への業務委託は徐々に少なくなっていきました。
ところが、会計士の人材不足を真に受けた監督官庁の金融庁は、公認会計士の合格人数を一気に増加させました。1000人台で推移していた会計士の合格人数は、2007年には4041人と増加することとなりました。
J-SOXバブルはすでに終焉しかかっていたにもかかわらず、一歩遅れて会計士の数が一気に増えたため、会計士の供給が一気にだぶつくことになり、会計士業界に再度の不況が訪れます。
そこに追い打ちで2008年にリーマン・ショックが起き、世界的不況に。
大手監査法人では大規模リストラの実施、さらには試験に合格したにもかかわらずどこにも就職できないという試験合格難民が発生することになりました。(報道によると、2010年の試験合格者約2041人のうちの700人・約3分の1はどこにも就職できなかったようです)
会計士業界はこのまま衰退するかと思いきや、またもや転機が訪れます。
2012年に誕生した第2次安倍内閣の経済政策、いわゆる「アベノミクス」によって、以前の政権政策と超円高による不況により苦しめられていた日本経済は息を吹き返し、日経平均株価も2015年には2万円を超えるようになりました。
好景気により企業による投資の活発化さらにはIPOの盛り上がりによって会計士需要が増加し、再び会計士の人手が不足することになりました。この会計士の人材不足は2019年になった今でも続いています。
・・・こうやって好況と不況の波を繰り返している様をみると、まるで日本経済の縮図のようです。
今でこそ大学生の就職内定率は90%を超え、どこも人材不足と言われていますが、いつ何時、何が起こって状況が一変するかは誰にもわかりません。
景気の良い時だからこそ、しっかりと地を足に付けて学習を怠らず、将来を見据えて業務に励んでいきたいと思います。