「値決めと市場」市場維持することの大切さ

Hagiyamaです。

今回は、独立している場合には避けられない「値決めの問題」について述べたいと思います。

誰もが明言を避ける話題かもしれませんが、敢えてこの話題に踏み込みたいと思います。


値決めはとても難しい問題だとつくづく思います。

税務業務では昔のように顧問税理士報酬が基準で決まっていれば話は簡単で早いのですが、今はその基準は撤廃されています。

そのため、値決めは自分で行う必要があります。

金額が高すぎてもいけないし、逆に低すぎてもいけない。

特に、低すぎるほうは問題です。

よく、「安く業務を受けたらクライアントにとってはコストカットになるから、自分さえ我慢すれば何の問題もない」と考える人がいます。

私はこの考えは間違いだと断言します。

市場価格よりも安く業務を実施することには、下記のデメリットがあると考えています。

1.値段を下げても業務量は変わらないので全体的な業務品質が下がる

2.市場の適正価格が下がる(つまり他の会計事務所に迷惑がかかる)

市場価格よりも安い値段を付ければ契約は増えるかもしれませんが、市場がレッドオーシャン化していくためその取引は決して長く続きません。

低コストのみを重視する顧客は要求事項も多い場合が比較的あり、その場合は報酬額に対して業務量が釣り合わない状態が起きてしまいます。

これは、「働き方改革」に反する考え方ともいえます。

また公認会計士・税理士は専門家であり何か問題が起きた時にはその責任も負うため、業務欲しさのためだけに市場価格よりも安く契約を受注することは考えものです。

このようなダンピングが同業他社から嫌われるというのは、会計業界に限らずどの業界でも同じことです(なので、携帯大手三社はどこも似たような価格プランなのですね)

顧客は得をするけど自分は損をする– いわゆる”win-lose”の状態は、決して長く続かないのです。

顧客も自分もお互いが納得できるような、win-winの値段設定をする状態こそが理想といえます。