Hagiyamaです。
今回は監査法人の給与事情についてお話します。
ただし、私が大手監査法人に在籍していたのは2002年~2007年の話ですので、10数年も経った現在とは全く事情が異なるという点につきあらかじめご了承ください。
私が公認会計士第2次試験に合格したのは、2002年(平成14年)のことです。
当時の4大監査法人(トーマツ・中央青山・新日本・朝日)の給料は、どこも額面で480万円でした。
なぜわかるかというと、どの監査法人の募集要項にも「480万円」と明確に書かれていたためです(一般企業では考えられないですね…)
なので、会計士新人1年目は、どの大手監査法人に行ってもだいたい同じ待遇となるわけです。
もちろん大手の中でも残業手当が付けつけやすかったり逆に付けにくかったり、部門の利益によって決算賞与がついたりするので一概には言えないのですが、「うちの法人は残業が全然付けられない!」「うちの部門は他と比べて給料が少ない!」という嘆き節は聞いたことなかったので、どこも似たり寄ったりだったことでしょう。
2002年当時は四半期レビューや内部統制評価はなく、3月決算企業が多数を占めていたため、4~5月が監査法人の繁忙期でした。
この繁忙期はゴールデンウィークも休日出勤扱いとなっていたため、5月は100時間を超える残業時間となっていました。
残業単価は新人1年目で1時間当たり3000円ほどだったので、仮に100時間残業したとすると、給料は基本給プラス残業代30万円ということになります。
繁忙期における残業時間もあり、私の新人1年目の給与は残業代を含めて600万円ほどだったと記憶しています。
(ちなみに現在の大手監査法人ではGWは平日扱いとなっており、また当時は普通だった100時間を超えるような残業時間は規制されていると聞きます)
この600万円という数字、一見多いように見えますが、監査法人には住宅補助手当や家族扶養手当といったものはありません。
日本を代表する大企業には、たいてい住宅補助があったり何かしらの特別手当が出ていたりします(これは会計監査の過程で給与台帳を見るのでわかります)。
さらに、私のいた監査法人では新人(会計士補)には携帯電話を持たせてくれなかったため、誰かと連絡を取るときやどこかに電話するときはすべて個人の電話を使っていてその通信費も自腹でした。(さすがに現在ではこの状況は無いと思います)
そのため、当時の大手監査法人の給料は少ないとは決して言えませんが、会計士資格を取得する苦労に比べると、決して高い金額ではなかったと思います。
さらには、新人から学習することが山のようにあり関連する書籍代も無視できず、さらに第2次試験合格の3年後に受けなければならない第3次試験(現在の修了考査)のための勉強もする必要があり、新人とはいえ全く気を休められない状況でした。
第3次試験の合格後は、晴れて公認会計士としての登録ができることとなり、給料も大幅にアップすることになります。
(少し長くなったので、続きは次の記事にしたいと思います)