Hagiyamaです。
先日の日曜日、新宿駅西口の地下広場にて「10士業よろず相談会」に公認会計士の相談員として参加しました。
10士業とは下記の士業です。
- 弁護士
- 税理士
- 不動産鑑定士
- 中小企業診断士
- 土地家屋調査士
- 司法書士
- 行政書士
- 弁理士
- 社会保険労務士
- そして公認会計士です。
私は税理士としては別ですが会計士の仕事としては法人しか顧客にいないため、新宿駅の西口を歩く個人の方々が会計士に一体どんな相談があるのか、相談ブースに立つまで興味津々でした。
朝の10時から夕方の4時まで会計士2名交代で相談員をやりましたが、公認会計士への相談件数は、なんと7件も(!)ありました。
(この日の相談件数は全部で200件近くあり、資産相続や労使問題などやはり弁護士や税理士への相談が多かったです)
会計士への7件の相談内容で最も印象的だったのは、下記 のAさん(仮名)の相談 です。
Aさん「勤めている会社の株式(非上場)を持ってるけど売りたい、処分して現金化するにはどうしたらいいのか?」
「またそれには一般的にどういう方法で値段が付くのか?」
というご相談でした。
会社法の守備範囲でかつバリュエーションの話もあり、これは会計士の十八番です。
Aさんにさらに話を聴いていくと、
・会社は毎年の株主総会の招集通知も送ってこず、株主総会の結果(議事録)のみを事後的に送ってくる。
・会社に決算書を見せてと依頼したが拒否された。
(※特定を避けるため一部フィクションあり)
これは思ったよりもヘビーな内容ですね・・
会社法において、株主には以下の権利が認められています。
・会計帳簿の閲覧請求権(3%以上保有の場合)
・株式の買取請求権
会社法での細かい条文数の記載は割愛しますが、株主はこれらの権利を行使することによって、会社と保有株式について交渉することができます。
ただし譲渡するにあたっては、非上場企業の場合は株式に譲渡制限が付いていますので、取締役会の決議が必要です(でないと、会社の知らないところで良からぬ者が急に新株主になっても困りますし)
Aさんの場合、会社が株主からの要請に非協力的であり、また株主であるAさんに株主総会の招集通知を送ってこないことや決算書含む帳簿閲覧請求を拒否したことを考えると、当該企業は会社法違反の疑いが強く、株式を現金化するためには法的な手段に出るしかないという結論に至りました。
こうなると会計士の守備範囲を超え、弁護士業務の範囲となります。
そこで弁護士の方を急遽読んでアドバイスをいただき、そこで時間切れに。(相談者1名の相談時間は30分まで)
それでも相談者は満足された表情で帰っていかれました。(無料相談なのでとことんお付き合いできないのが残念です)
今回、「会計士として個人から相談を受ける」という新たな経験をしましたが、”相談者の悩みを解決するには他士業との連携が不可欠”ということを学びました。
また、台風15号や19号で被害がある中で、「士業として災害復興のためにできることは何か?」ということ考えた相談会でもありました。
今後とも、他士業との連携をもっと深めていきたいと思います。