Hagiyamaです。
2019年も年末となりましたが、この1年を振り返るのは次の記事にしたいと思います。
弊所の事業の一つとして、外資系企業向けの会計・税務サービス提供があります。
サービス内容は、会計に関しては親会社に報告する連結パッケージ作成など、税務に関しては日本の税務当局に提出する確定申告書の作成提出などです(これは国内企業の税務とほぼ同じ)
日本企業との外資系企業の大きな違いには、下記のようなものがあります。
・親会社とのコミュニケーションに英語が必要
親会社の連結経理担当者(コントローラーなど)に、日本の税制の説明などについての説明が求められます。
・外資系企業独特の慣習あり
105%ルール(経費105%の売上計上)や親会社に支払うロイヤリティの源泉(租税条約)など、日本企業ではあまりないような論点があります。
また、親会社が現地で上場しているかしていないかによってスケジュール感はかなり変わってきます。
もちろん、現地で上場しているほうがスケジュールがかなりタイトで、上場していない場合は比較的ゆったりしています。
私の同業の方にこのサービスラインの話をすると、外資系企業を頑なに避ける方が稀にいらっしゃいます。
その時に言われるのが決まって、「外資系企業は海外の親会社を儲けさせるだけで日本経済にたいして役に立っていない」「外資系企業は日本に税金をたいして払ってない」・・といったような話です。
たしかに、日本で事業活動をしながらも日本に税金を一切払わなくても良いようなスキームを生成している外資系グローバル企業も聞くには聞きますが・・
外資系企業は日本で雇用を生み出しているというだけでもすでに日本経済に役に立っていると思いますし、少し小難しい話をすると、外資系企業の日本における活動は重要な景気指標の一つであるGDP(国内総生産)に算入されます。(ただし日本の居住者ではないのでGNP(国民総生産)には算入されません)。
つまり、外資系企業の活動はGDPを通じて日本の景気を左右する役割を果たしています。
(経済産業省の統計によると、2017年度においては3441社の外資系企業があります)
経済産業省「外資系企業動向調査」 https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/gaisikei/index.html
ごく一部の税金を支払わないような外資系企業だけをサンプルとして母集団の全てを判断するというのは、論理が飛躍しているような気がします。(統計的なたとえ話となりすみません)
弊所では、これからも日本が外国にとって有用な投資先となるようにサービスを提供していきたいと思います。