契約書のペーパーレス化とその注意点

Hagiyamaです。

弊社は「時代に取り残されないような新しい会計事務所として生きていきたい」と考えています。

そのため、昔からある古い慣習で意味の薄い物事にはなるべく捉われないようにしたい・・

その取り組みの一つとして、まずは締結する契約書(顧問契約書や業務委託契約書など)を全てペーパーレス化することにしております。

つまり、紙面の契約書は基本的には作成していません。もちろん希望されるクライアントには紙面の契約書を作成しておりますが、最初は電子での契約締結をお願いすることにしております。


電子契約書の利点は、製本テープを使った製本化、押印・割印、郵送・返送の手間が省けるという点と、さらには印紙税の負担がないという点です。

特に製本化は思いのほか手間のかかる作業だと感じます。製本テープを貼るときに真っすぐ貼れずにズレてイライラしたり・・

また、印紙税の負担がないのも大きいです。数百万円の契約だと1万円以上の印紙税(=収入印紙の貼付)がかかりますので、ペーパーレスによって印紙税負担がなくなるというのはかなり大きいです(実はこれがペーパーレス化を決めた最大の理由です)


電子契約書を作成する際の注意点は、契約内容を後から変更できないということを証明する必要がある点です。

契約書に限らず、電子データは原本のある紙とは違って、内容の変更(偽造など)が後からでも簡単にできてしまいます。

そのため、「契約の締結後はそのデータが一切変更されていない」ということについて、何らかの形で証明する必要があります。

そこで必要になるのが、電子署名とタイムスタンプです。


弊社では電子署名とタイムスタンプについて、現在2社のサービスを利用しています。

電子署名のサービスを提供している企業では、たいていタイムスタンプの機能も備わっています。

電子署名とタイムスタンプがあれば、その電子データが、いつ(when)、だれが(who)、何を(what)署名したのかを証明することができ、その電子データが作成された日から一切変更が加わっていないということを証明できます。

(ただし、現時点では不動産賃貸借契約書と遺言状について電子で作成することは推奨されていませんので、注意が必要です)


ペーパーレス化することによって、契約書の保管場所に困ることもなくなりましたし、契約書を見たいときに外出先でもPCやスマホで簡単に見ることができるようになりました。
契約締結の後でも、契約書の内容を確認する機会は意外にも多いです。


この激動の時代を生き残るためには、「契約書は必ず紙面でなければいけない」といったような古い既成概念に捉われず、常に頭を柔らかくし(精神的にも物理的にも)、柔軟な思考を常に持ち続けたいと思います。