粉飾決算を行う社内の雰囲気とは

Hagiyamaです。

会計士監査の最終的な目的は、ズバリ率直に言うと、決算書が粉飾されていない(重要な虚偽記載がない)ことを証明することにあります。

粉飾を見つけること自体が目的ではありませんが、私の過去の監査現場において、決算書の虚偽記載を見つけることが何度かありました。それは誤謬(=ミス)ではなく意図的なもの(=悪意を持って粉飾を行っていたもの)でした。

そういった粉飾決算をするようなクライアント企業を見ていると、ある程度共通している社内の雰囲気といったものがあるように思います。

(「共通」を数学的な考えで言うならば、方程式を因数分解して「共通項」を見つけるようなイメージでしょうか・・←伝わらなかったらすみません)


私の考える「粉飾決算をする企業の共通項」とは、次のようなものです。

  • クライアント(被監査会社)が会計監査に対して非協力的
  • 監査で依頼した資料の提供が異常に遅い(もしくは依頼を忘れられている)
  • 会計処理の修正事項を何かと理由を付け先延ばしにしようとする
  • 社内が清潔でなく散らかっている(トイレが不潔、シュレッダーのゴミが床に散らばっていても放置など)

これらの項目が全て当てはまるとは限りませんが、「会計監査に対して非協力的」という点はどの粉飾企業も共通していました。

誰かに見つかってはまずいことをやっている以上、そのまずいことを見つけようとする者に非協力的になるのは当然のことだと思います。


また、最後の項目(=社内が不潔)は、あくまで私個人の偏見もあるかもしれません。

ですが、粉飾決算を平気で行うなどコンプラインス遵守意識の欠如のある会社には、整理整頓や清掃など普通の企業活動では必ずやっていなければならない基本的な点ができていないという点に問題があります。

誰でも不潔な場所は嫌で、そのような会社に行きたいとか働きたいとか思わないでしょう。

「割れ窓理論」という言葉がありますが、一つ割れた窓を放置していれば、他の窓も割られやすくなるという考え方です。

割れ窓理論に従うと、社内が散らかっていても誰も気にしないということは、決算書の散らかりについても気にしないし声を上げる人がいない(もしくは声を上げられない)ということに繋がるのだと思います。


かといって難しいのは、社内が清潔だから粉飾しないかというと、そういういうわけでもありません。

これも私の経験で、清廉潔癖な社内雰囲気に騙されて架空の資料を提供してきたクライアント企業もありました。なので一概に判断できないので難しいです。

粉飾をしない会社かそうでないかの判断にあたっては、あくまで総合的に判断する必要があると思います。