「2025年の崖」とペーパーレス社会

Hagiyamaです。

「2025年の崖」まであと6年となりました。

「2025年の崖」とは、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート(DX = Digital Transformation)」に出てくる言葉です。

「2025年の崖」には、次のような特徴があります。

  • メインフレームを中心とするIT(=レガシーシステム)の陳腐化
  • レガシーシステムを維持メンテナンスできるIT人員の大幅な不足(古いプログラミング言語の使用)
  • クラウドやAI、IoT、RPAなどの最新IT技術と社内レガシーシステムが不連携

これらの原因によって、2025年以降、毎年12兆円の損失が出ると経済産業省は試算しています。


2025年の崖を迎える前に、先手を打って社内システム刷新を図っている企業は多くあると聞きます。

情報システムの刷新については私達会計事務所が直接携わる業務ではありませんが、会計基準でいえば2021年3月期から新収益認識基準が適用となります。

この新収益認識基準では、少なくとも現在の売上認識基準である出荷基準が見直されることが予定されています。

この新売上認識基準において、大手監査法人内でも統一見解はなく各企業の監査チームの自主性に委ねられているというのが現状のようです。

結局のところ、業種ごとさらには企業ごとに収益の要件を満たす時点は様々であるため、統一見解がないのではなく出せないというのがその背景にあるようです。


レガシーシステムで思い出したことがあります。

少し前に私が訪問した企業で、エクセルで会計伝票を作成して出力しその伝票内容チェックおよび紙ベースでの承認印を得たうえで、さらに会計システムに同じ仕訳内容を入力するという手続をしている企業がありました。

この方法は、内部統制の観点からかなりの非効率の部分があります。

・承認済みの紙ベース会計伝票を会計システムに入力した際、仮に入力ミスがあっても気が付かない
・会計システム入力後の会計伝票をさらにチェックすると全く同じ内容をチェックしていることになり業務の二度手間がある

このような非効率な方法を採用している理由は、システムに電子承認の仕組みがない or 仕組みがあっても使い方がわからないといったものでした。
(ちなみにシステム上の会計伝票には承認欄がありました)

この非効率な手続きは、システム刷新によって全て電子ベースの承認に代えれば解決します。

「紙のほうが見やすいから紙がいい」という意見もありその気持ちも理解できますが、業務効率化の観点からはペーパーレスにすることは欠かせません。

業務効率化するということは業務量が減るため、働き方改革にも繋がります。

紙ベースの社内手続きは極力廃止し、インターネットを活用したペーパーレス社会に向かうべき時が来ていると感じます。