「限界効用逓減の法則」と仕事第1号の思い出

Hagiyamaです。

少々小難しい言葉ですが、まずは限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則について述べます。

限界効用逓減の法則は経済学や証券投資論において出てくる有名な言葉ですが、どういう意味なのか、普段の生活に当てはめるととてもわかりやすくなります。

たとえば、夏のものすごい暑い日の夜、仕事が終わった帰りに飲み屋でちょいと一杯・・

1杯目に飲むキンキンに冷えた生ビールは、ものすごくおいしく感じてこの世の極楽のように感じるはずです。

ところが、2杯目は1杯目に飲んだ時の格別のおいしさは徐々に感じなくなってきて、3杯目にもなればたいていはビールに満足してしまいます。

このような最初の1杯は満足度(=限界効用)が高く、その後は満足度が徐々に減少する(=逓減する)ことを「限界効用逓減の法則」といいます。

(これを数値化したのが証券投資理論における「効用関数」の考え方ですが、堅苦しい話はブログが退屈になるのでここでは割愛します)


他にも、社会人になって初めてもらったボーナスは格段嬉しいものですが、2回目以降にもらうボーナスは成れてしまってきて、当初の嬉しさも半減しています。

ボーナスの金額自体はさほど変わらないのに、何度ももらううちに悲しきかな満足度は徐々に下がってしまうものですね。


独立事業の話をしますと、独立して初めて関与した顧客はとても嬉しいものです。

記念すべき第1号の仕事は、今後もいつまでも覚えていることでしょう。

さらには、私が大手監査法人に入り初めての訪問先が大手の建設会社で、やっていることが全くわからず前期調書を当時の先輩にボロクソに言われたことを覚えています。

これが記念すべき会計士試験合格後の仕事第1号であり、当時は試験に合格したのだという嬉しさをかみしめていました。


ですが、2社目・2年目・3年目と業務をこなしていくうちに、当初感じたような会計士試験に合格して仕事しているといった嬉しさにも徐々に慣れてきて、日常の生活となります。

限界効用はいずれ逓減する、つまり満足度は繰り返すごとに徐々に薄れていく・・この事実だけは、どうしても変えることはできません。

ただ、初心があるからこそ現在があるということも事実です。

初心は決して忘れてはならないと思う今日この頃です。