Challenge to IFRS

matsumotoです。今回はこれまでとは風味を変えてお届けいたします。テーマは「IFRSへのチャレンジ」と、その効果的な勉強方法についてです。我々も今でこそ、ありがたいことにIFRSに関する業務のご依頼を頂いている状況でありあますが、当然ながら「知識ゼロ」からのスタートという、誰もが通る道は経験しております。そこで、今回は、これからIFRSへチャレンジされる方向けて、実際に私が経験したことも含めて記載したいと思います。
それでは早速はじめてゆきましょう。

目次

本稿が対象としている方

ターゲットとしては、下記の方を想定しております。

①IFRS適用が決定した(あるいはこれからIFRS適用を検討する)
 会社の経理部の方で、これからIFRSの知識を入れなければならない方
②IFRSに注力したいと考える公認会計士の方
③会計に関するシステムのベンダーの方で、IFRS関連のシステムを導入する
 上である程度のIFRSの知識を入れておく必要がある方

目標を設定する

人間、目標がなければ、意気込んでもなかなか続かないものです。
そこで、やると決めたからには何か目標を持つのが良いと思います。

例えば、経理の方であれば、
①自分の担当領域がIFRSによってどのような影響が受けるのか知りたい
②①に限らず、全体としてどのような影響があるのかを把握、分析できるようにしたい

例えば、公認会計士の方であれば、
①IFRSの主要な基準を一通り把握しておきたい(クライアントとの議論に耐え得るように)
②その上で、IFRS9(金融商品)などの難解な基準に特化してみる

例えば、ベンダーの方であれば、
①会社の方とスムーズな議論が進められるようにしたい
②ニーズを的確に捉え、サービス(システム構築)に反映できるようにしたい

などでしょうか。私の場合はすでにIFRSを適用を検討してる監査チームに配属されたので、議論に参加できるように一通り学習する必要があった、というのがこの世界に入ったキッカケとなりました。

始め方(投資の程度)を決める

これはIFRSに限った話ではないですが、新しい分野について学習する際には、本を買ってみたり、あるいは専門学校に講座を申し込んでみたりと、多かれ少なかれ「投資」は必要になってきます。
この「投資」の仕方は人それぞれですので、一概に「これがベスト」とは言えません。大きく分ければ下記の2パターンかと思いますので、ご自身に合った方法から始めてみるのが良いでしょう。

①本を購入したり、借りたりなど、手軽なところから始める
会社などの組織に属している方であれば、会社の書庫から借りてみるのも一つですし、なければ備品として購入申請を出してみるのも手かも知れません(業務として必要になるわけですから)。これなら負担ゼロで始めることができます。 私は本に付せんやら書き込みをしたい人なので、結局買いましたが…笑

②専門学校の講座を申し込み、後に引けない状況を作る
先行投資で後に引けない状況を作ってしまうのも一つの方法と言えます。とはいえ、専門学校の講座は個人として負担するにはそこそこな金額。①でさっと学習した上でやるかどうか検討してみても良いでしょう。

おススメのやり方や書籍など

ここでは実際にIFRSを学習する上で私が取り組んだもののうち、おススメのやり方や書籍についてご紹介したいと思います。

①書籍について
・IFRS会計学基本テキスト(第6版) :橋本尚 (著), 山田善隆 (著)
matsumotoが最初に触れたIFRS書籍(実はhagiyamaからの勧めもあって読み始めたもの)。3,500円程度と、専門書としては手ごろな値段でありながら主要な基準の概要を把握することができ、日本基準との比較、章末の問題で反復出来たり等、飽きさせない内容となっています。入門書として良いと思います。

・テキスト国際会計基準 新訂版:桜井久勝 (著)
こちらはIFRSの基準書を網羅的に(広く浅く)解説しているものです。IFRSの基準書の全体像を知るには良いと思います。IFRSのどこにどのようなことが記載されているかを把握するのに役立つ書籍だと思います。値段も①と同じくらいで、章末に日本基準との比較もあり、各章(基準書ごと)の解説もボリュームが少な目で読み進めやすいです。

②BATIC(国際会計検定)
こちらは、東京商工会議所が主催の検定試験で、試験の内容は完全にIFRSに準拠したものとなっています。出題領域はIFRSの主要論点をカバーしたものとなっていますので、主要な論点を学習するには良い方法とかと思います。試験という強制的なイベントを差込むことで、モチベーションの維持にもなりますので、個人的にはおススメしたいものです。試験は「合格」「不合格」というわけではなく、TOEICのようなスコア制で、スコアにより4段階のランクが設定されております。なんとなくですが、上のランクを目指すというのはモチベーションなりませんか笑?
ちなみに試験問題は英語なのですが、問われるのは、会計上どのような処理をするか、とか、金額を計算するもので、しかも選択式ですので、TOEICよりも遥かに取り組みやすい内容となっています。

宣伝とはしたくないので、リンクなどを張ることは差し控えさせて頂きますが、
ここまででもし興味が出てきましたら、検索してみて下さい。

終わりに

今回は「IFRSへのチャレンジ」と称してこれからIFRSに触れてみようと考えておられる方向けに投稿してみました。少しでもこれを読まれた方の一助となれば幸いに思います。
以上、matsumotoでした。