IFRS第13号(公正価値測定)の公正価値ヒエラルキーとは?

Hagiyamaです。

IFRS第13号(公正価値測定)において述べられている、公正価値ヒエラルキーについて説明します。

ヒエラルキー(hierarchy)とは、一般的には「ピラミッド型の段階的組織構造」という意味で使われますが、簡単に言えば「階層」です。

IFRS第13号でいう階層とは、時価(公正価値)の測定に際する客観性や信頼性のレベルを指します。

これを逆に言えば、価格の測定に際して使用した情報に、企業の恣意性が介入する余地があるかどうかということになります。


公正価値のヒエラルキーとは、平たく言うとこうなります。(ここでいう時価は、公正価値と同じ意味です)

公正価値ヒエラルキー(フランクver.)

・レベル1:活発な市場価格で恣意性の介入する余地のない情報(例:上場株式市場の価格)


・レベル2:レベル1を使用して算出したある程度信頼性のある情報(例:金融機関が提示したデリバティブの価格)


・レベル3:企業が評価技法を使って計算した恣意性の入った情報(例:非上場株式の価格)

(あまりに平たく言い過ぎて会計学者の先生から怒られそうな表現となりましたが、わかりやすさを優先した点につきご了承ください)


言うまでもなく、レベル1に行けば行くほど、測定した時価の客観性と信頼性が増します。

レベル3はそのままだと信頼できないので、時価の決定に際していろいろと情報を開示する必要があります。

開示項目は、レベル3の測定に使用された割引率や評価倍率(=観察可能でないインプット)、類似企業比較法などの評価技法といった定量的情報などを開示する必要があります。

IFRS第13号や日本基準にて使われている堅い言葉は下記の記事にて述べていますので、適宜ご参照ください。